不妊症
はじめに、不妊ではない20代のカップルでも1回の排卵のタイミングで妊娠できるのは、約20%程度と言われております。 つまり、妊娠するということは容易なことではないのです。
「不妊症検査」を受ける上で知っておいていただきたいのは、 「不妊症の理由は、女性側が1/3、男性側が1/3、残りの1/3は原因不明」ということです。
知ってほしいことは、「女性側のみならず、男性側にも同じだけ原因がある」ということです。
つまり、不妊症なのかどうかは「男女両方の検査をしなければ、分からない」ということです。
検査内容
①基礎体温の測定
婦人体温計で基礎体温を測っていただきます。
これにより、排卵があるか?
黄体機能不全の可能性があるか?
などをおおよそ推測できます。
基礎体温で排卵日はなかなか予測できませんが、低温相最終日から基礎体温上昇期の3日間に排卵することが多いと言われています。
また、基礎体温高温相が10日以下では、黄体機能不全である場合が多いのです。
②ホルモンの基礎値の測定
月経の始め(生理が始まって4日までに)に、採血してホルモンの基礎値を測定します。
排卵障害があれば、これでおおよその障害部位がわかります。
③超音波検査
排卵が近づくと(生理開始から12~14日目頃)、超音波検査をして卵胞が成熟しているかを診ます。 排卵が近づく頃には、卵胞の直径は約20mm位になり、この時期には子宮内膜が厚くなります(通常10mm以上)。
④クラミジア抗原検査
不妊症の原因となる、クラミジア抗原の検査を行います。
⑤AMH(抗ミュラー管ホルモン)
AMHは、これから発育する予定の前胞状卵胞から分泌され、卵巣の予備能を見る有力な指標として重視されています。
どのくらいの数の卵胞が発育するか、卵巣の反応を予測することができ、卵巣刺激法を決める重要な目安となりますが、卵子の質とは関係ありません。
AMHの値が低いほど閉経が近づいている指標です。
早めのステップアップによる適切な治療が必要となります。
当院で検査できるのは、ここまでです。精液検査や子宮卵管造影検査(HSG)は、泌尿器科や高度生殖医療(ART:生殖補助技術)が可能なクリニックへご紹介させていただいております。
高度生殖医療とは、人工授精や体外受精、顕微受精などの専門医療をさします。
治療法
①タイミング指導
超音波検査によって卵胞の発育具合や基礎体温の過去の記録を参考にして、排卵日を推定し、タイミングをとるとよさそうな日をアドバイスします。
ここは、クリニックによって意見が分かれるところですが、「当院では排卵予想日を中心に5日間が妊娠しやすい『ゾーン』と考え3回くらいタイミングをとってください」とお話ししております。
②薬物療法
- 排卵誘発法として、クロミフェン療法(クロミッド)あるいは、セキソビット療法、hCG(ヒト絨毛性性線ホルモン刺激製剤)注射
- 漢方療法(柴苓湯など)
- 黄体ホルモン補充療法(エフメノカプセル・デュファストン・ルトラール・プロゲデポー)
- 高プロラクチン血症の治療(カバサール)
当院ではhMGやFSH製剤の注射は扱っておりまん。このため、数回上記治療を行なっても妊娠にいたらなければ、高度生殖医療クリニックへ紹介させていただいております。
- 理事長・院長
- 瀧澤慎
- 診療科目
- 産科(分娩なし)、婦人科
- 住 所
- 東京都港区高輪3-8-17
メディカルプライム高輪3F - アクセス
- 都営浅草線 高輪台駅から徒歩1分
白金台駅から徒歩12分
五反田駅から徒歩13分
品川駅から徒歩14分